特定失踪者問題調査会の北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」
3月26日より日本国内送信開始


第一放送 0530〜0600 6045kHz 100kW(日本国内送信)
第二放送 2200〜2230 9485kHz 100kW(第三国送信)
 


その他、最新情報は「近隣諸国放送情報板」もご参照ください。

 特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)は3月22日午後、記者会見を開き、総務省やKDDI、NHKと調整を続けてきた短波放送「しおかぜ」の国内送信開始について、3月26日から開始すると正式に発表した。

 これについては、2006年10月13日、菅総務大臣が閣議後の記者会見で、「しおかぜが短波放送を欲しいということであれば、ITU(国際電気通信連合)に正式に申し入れたい。NHKの施設を使えるよう前向きに考えたい」と発言し、以後、管轄官庁である総務省、茨城県古河市の八俣送信所を所有するKDDI(株)、八俣送信所を独占使用しているNHKと調査会の間で調整が開始された。
 政府(総務省)が1月26日までに国際電気通信連合にしおかぜへの周波数割り当てを申請、2月20日に調査会が総務省関東総合通信局に免許を申請、3月13日に予備免許が交付された。そして、3月16日までに国内で必要な手続きが概ね終了した。
 3月19日、国際電気通信連合への周波数登録手続が完了した。最終的には3月22日、関東総合通信局において免許交付を受け、全ての手続きを終了し、3月26日朝の放送から送信を開始する。

 八俣送信所からの送信は、従来の朝の放送(第1放送)を第三国送信から国内送信に切り替えるもので、放送時間はこれまでと同じ0530〜0600である。八俣からの送信にあたっての免許は、種別としては「特別業務の局」、目的としては「広報業務用」、通信事項は「本邦外に在住する日本人向けの広報に関する事項」となっており、放送事業者ではなく、業務局の扱いになっている。呼出符号はJSR、呼出名称は「しおかぜ」で、免許の有効期間は2年となっている。この2年という期間は、いつまでもだらだらと放送するのではなく、2年の間に拉致問題の決着を図りたいという特定失踪者問題調査会の意志が反映されている。
 八俣送信所からの第1放送は、対数周期型アンテナを使って100kWで送信されるが、KDDIとNHKとの契約期間は、3月26日から10月28日までとなっている。これは、NHK国際放送が平成19年度下期(10月1日)からラジオ国際放送の大幅な見直しを予定しており、送信機の台数減をはじめとした見直しの中で、今後のことが明確になっていないため、夏期スケジュールの期間の契約となった。調査会としては、契約更新を望んでいる。第1放送にはプロの女性アナウンサーが登場し、放送の最初と最後には「JSR、こちらはしおかぜです」というアナウンスが入る。

 夜の放送(第2放送)は引き続きイギリスの放送配信委託会社VTコミュニケーションズを通じて、第三国経由で実施されるが、3月25日の周波数改変期より、9950kHzから9485kHzに変更される。

 尚、第1放送が国内送信に切り替わるが、調査会として支払う送信費用は、第1、第2合わせて月額60万円程度と、これまでのVT社経由と同程度の金額で行うことが可能になり、八俣送信所の費用については、KDDIとNHKの理解と協力の賜物であると調査会は評価している。
 また、免許の取得についても短時間で実現できたのは、総務省としても異例の措置であったと認識しており、荒木代表は、「実現のためにご尽力いただいた方々に、改めて感謝の意を表する次第である」と述べている。
 荒木代表はまた「国内から『しおかぜ』を北朝鮮へ発信することは、今まで以上に北朝鮮に対して強いメッセージ、圧力となり、早期解決への一助となるものと確信している。また、今回の割り当て周波数(6M帯)により、第2放送の9M帯の周波数と合わせて、季節や時間等による電波環境の変化への対応も可能となり、より聴取しやすくなる。万一、第1放送に北朝鮮が妨害電波を発射する場合、日本の正式な電波に対して妨害を与えることになり、国として正式に抗議することもできる。拉致被害者が一人でも『しおかぜ』を聴いて日本における救出への官民の取り組みに期待感を持ってくれれば情報の収集などにも進展があるものと期待している。なお、来月から開始する『バルーンプロジェクト』でも、『しおかぜ』の送信について記載しており、両者が情報発信と情報収集の両面で相乗効果を上げるものと確信する。」と述べた。

 この度の第1放送の八俣送信開始にあたり、特定失踪者問題調査会の村尾健児理事が、3月23日に放送された文化放送の「たかよしの特集プラス!」で詳しく語っている。4分17秒の所から新しいアナウンスのサンプルも聞ける。

 免許状を手にする特定失踪者問題調査会の村尾理事
 八俣送信所の対数周期型(LP)アンテナ(黒く見える低い方)



特定失踪者問題調査会では、短波放送のためのカンパを受け付けている
郵便振替口座: 00160-9-583587 特定失踪者問題調査会
通信欄には「短波放送のためのカンパ」と明記のこと

アジア放送研究会では「しおかぜ」の最新情報について、特設ページの他、「放送情報板」でも随時お伝えしています。

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