特定失踪者問題調査会の北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」
日本国内送信に妨害電波発射


第一放送 0530〜0600 6045kHz 100kW(日本国内送信)
第二放送 2200〜2230 9485kHz 100kW(第三国送信)
 


 去る3月26日より茨城県古河市にあるKDDI八俣送信所からの送信を開始した特定失踪者問題調査会(荒木和博代表)の北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」に対し、3月29日朝、北朝鮮による妨害電波(ジャミング)が確認された。これを受け、特定失踪者問題調査会は同日午後、緊急記者会見を開き、以下のコメントを発表した。


平成19年3月29日 
北朝鮮による「しおかぜ」への妨害について
特定失踪者問題調査会代表 荒木和博

 北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」は3月26日より日本国内からの送信を開始したが、これに対して本日(3月29日)朝、北朝鮮による妨害電波がかけられた。妨害電波を送信しているのは平壌近郊の施設と推定されている。
 日本国内からの送信は、日本政府が国際電気通信連合(ITU)の周波数割り当てを受け、調査会が日本政府から免許を受けて行っているものであり、これに対して妨害電波を流すことは主権侵害とも言える行為である。私たちは北朝鮮当局に強く抗議する。
 そもそも現在の「しおかぜ」第一放送は政府認定の拉致被害者、特定失踪者の名前を読み上げ、家族からのメッセージを送っている。すべて日本語の放送である。もし北朝鮮当局が言っているように「拉致問題が解決済み」ならば、北朝鮮の中に拉致被害者は存在しないことになり、痛くも痒くもないはずだ。それに乏しい資源を割り当てて妨害するのは、すなわち多数の拉致被害者が未だに存在していることを北朝鮮当局が自ら証明したものとすら言える。ある意味ではこのような反応があったことだけでも日本国内からの送信をやった効果はあったと言えよう。
 現時点では日本国内からの電波は強力であり、妨害電波によって聞けなくなっているのは北朝鮮でも一部地域に限られると推定されている。私たちは関係機関と協議の上今後万全の対策をとっていくとともに、バルーンプロジェクトをはじめとする各種の活動によってさらに大規模に北朝鮮への情報の注入、北朝鮮からの情報の獲得を行っていく所存である。
                                                    以上


 記者会見では佐世保在住のリスナーと、当会が提供した今朝の放送の録音ファイルなどが紹介され、記者との質疑応答も行われた。
 調査会は今朝から総務省とも連絡を取り合い、今後の方針について検討していくが、ひとまず日本政府からITUを通じて北朝鮮当局に正式に抗議をすべく、ジャミングの状況についても監視していき、必要であれば周波数の変更も行っていくと述べた。
 ジャミングの発信地点については総務省の監視施設で既に把握しており、上記のコメントにもあるように平壌近郊とのことである。
 免許上では使用周波数は6045kHzと決められているが、日本政府が行ったITUへの登録申請はこの他、6080kHz、6085kHz、6185kHzも申請しており、さらに第二放送用としても6005kHzと6140kHzの申請も行っており、総務省の対応次第では周波数の変更も可能となっている。
 短波放送の電波伝播の特性上、簡単に言うと「灯台もと暗し」的な要素があり、茨城県から発射した「しおかぜ」の電波は関東近郊よりは西日本の方が良好で、今回のジャミングも平壌近郊など、朝鮮半島ではジャミングの電波がスキップしてしまい、「しおかぜ」の方がむしろ強力に入感しているとも考えられる。実際、アジア放送研究会のモニターでは、神奈川ではジャミングの存在が気になるが、熊本では後半部分で「しおかぜ」の電波が強くなると、殆どジャミングも気にならない状態で受信できている。
 八俣送信初日から28日まではソウルにおいて「しおかぜ」がかなり強力に入感していることから、北朝鮮でも同様の受信状態ではないかと考えられる。

 北朝鮮当局はこれまで、第三国送信の「しおかぜ」に対しては、2006年5月から断続的にジャミングを発射してきた。また、1993年3月、核拡散防止条約 (NPT) からの脱退を宣言した際には、八俣送信所から送信されているNHK国際放送「ラジオ日本」の朝鮮語放送にも数日間だけジャミングを発射したことがあり、今回、14年ぶりに八俣からの電波にジャミングを発射したことになる。
コメントを読み上げる荒木代表(左)と村尾理事
送信アンテナの前で「しおかぜ」を受信する村尾理事(3月26日)



アジア放送研究会では「しおかぜ」の最新情報について、特設ページの他、「放送情報板」でも随時お伝えしています。

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